KY活動とは
建設業における労働災害による死傷災害やう重大災害は、年々減少傾向にありますが依然として発生し続けています。「災害ゼロ」を掲げる会社にとって、重大災害を避けるための取り組みは必須であり、労働安全衛生法の改正により平成18年4月から「労働者の危険または健康障害を防止するため必要な措置を講ずること」を事業者の努力義務として定めています。
こういった背景を踏まえ現場で発生する重要災害を未然に回避するための活動を危険予知活動=KY活動と呼びます。
KY活動の目的は
KY活動を行う目的として、以下のような事項が挙げられます。
・危険への感受性を鋭くする
・安全作業への集中力を高める
・作業者自身が気づき、主体性を向上させる
現場に潜む危険やリスクをあらかじめ見積もり、現場の安全を確保します。
「リスクアセスメント」とは
KY活動を行う上で、セットで重要視されていることとして「リスクアセスメント」があります。
リスクアセスメントとは、一言でいえばリスクの事前評価のことです。
重大災害の未然防止の方法として、昨今はリスクアセスメントの手法が広く導入され実施されています。
労働安全衛生法によりリスクアセスメントは事業者の努力義務が定められています。
【労働安全衛生法第28条の2】
・化学物質等による労働者の危険又は健康障害を生ずるおそれがある事業場
・安全管理者の選任義務のある業種の事業場
※平成18年4月1日施行
現場の「ヒヤリハット」を減らす
現場作業におけるヒヤリハットは重大災害に繋がりかねない危険信号です。
労働災害における有名な経験則の一つに「ハインリッヒの法則」があります。
これは、5,000件余の労働災害を統計学的に調査・計算した結果、「重大事故:中規模事故:ヒヤリハット」の割合が「1:29:300」であるということを導き出した法則です。
重大災害を未然防止するためにはいかに軽傷事故を減らすかが大切ということを学ぶ指標であり、すなわちヒヤリハットを減らすことが「災害ゼロ」に近づく重要な心構えとなります
KY活動の手法
基礎4ラウンド法
KY活動の手法は様々ありますが、「基礎4ラウンド法」が代表的かつ基本的な手法です。
リスクの見積もり・採点方法
上記で説明した「リスクアセスメント」の手法の中に、リスクを見積もる指標があります。
想定されるリスクには程度がり、リスクが大きいほど負傷又は疾病の重篤度が高いか、発生する可能性が高いかのどちらかです。リスクの程度を知るには、リスクの程度を数値化するることでわかりやすくなります。
高い数値ほど、リスクの程度は高いことになります。
数値化する方法には3段階法と4段階法がありますが、今回は簡潔な3段階法の加算式を紹介します。
【①負傷又は疾病の重篤度】
3——死亡、極めて重大(永久的損傷、休業災害1か月以上、腕・足の切断、重症中毒)
2——重大(休業災害1か月未満)
1——軽微(不休災害やかすり傷)
【②発生の可能性】
3——確実又は可能性が極めて高い(よほど注意しないと負傷する又は疾病になる)
2——可能性がある(注意していないと負傷する又は疾病になる)
1——ほとんどない(注意していなくてもほとんど負傷しない又は疾病にならない)
【①+②の加算した数値でリスクを測る】
6——直ちに解決すべき問題がある
5——重大な問題がある
4——かなり問題がある
3——多少問題がある
2——問題は少ない