安全書類(全建統一様式)を作成できるシステムを導入するメリット
全建統一様式で安全書類を作成できるソフトを導入するときは、比較検討を
建設業で必要となる、全建統一様式にて安全書類(グリーンファイル)を作成できるソフトウェア(アプリ)を導入しておけば、書類作成にかかる時間を短縮することが可能なのでおすすめです。
全建統一様式第5号様式の作業員名簿や第9号様式の移動式クレーン・車両系建設機械等使用届、安全施工サイクル実施要領書などは作成する機会が多いのではないでしょうか。
ただし、フリーでダウンロードできるソフトや、有償で販売されているソフトがあるので、導入前に比較検討が必要です。
安全書類を作成できるフリーソフトツールはたくさんあるが、機能面では圧倒的に有償販売されているソフトの方に軍配が上がります。特に、クラウド上(ハードウェアを購入したり、ソフトウェアをインストールしなくても利用できるサービス)での管理が出来るソフトが多く望まれています。
まずは無料お試しなどで検討し、機能や使いやすさをチェックし、自社に合ったものを選ぶとよいでしょう。
また、この記事の後半では、全建統一様式の安全書類や安全施工サイクル実施要領書のソフトを導入しない企業の問題点や導入したメリットなどについて説明しています。
- 全建統一様式の安全書類作成ソフトを導入しないと、起きる問題点は
- 全建統一様式の安全書類作成ソフトを導入しない理由とは
- なぜ、ソフトを使って全建統一様式の安全書類を作成しないのか
- 全建統一様式の安全書類作成ソフトを活用することで得られるメリット
- 全建統一様式の安全書類作成ソフトの操作は難しくない
- クセがある文字で書いたことによる誤読を防ぐことができる
- 書類作成時間の短縮や不要なスペースの削減が可能
- まとめ/導入しないと損! 使い勝手がいい全建統一様式で安全書類を作成できるクラウドソフト
- 安全衛生管理計画の重要性とマンネリ化を防ぐ方法
- グリーンファイルと施工体制台帳
- 安全書類作成にはエクセルテンプレートのダウンロードを
- 全建統一様式は最新の改訂版を使用する必要がある
- ソフトの導入には現行の運用システムとのマッチングが必要
- 安全書類は全建統一様式で作成し、工事の安全を守ろう
- 安全書類とは
- 実際の安全確保におすすめの安全施工サイクル
- 安全書類作成は全建統一様式で統一された様式に
- 安全書類は改訂最新版で作られなければならない
- 安全書類の目的は安全を守ることにある
- 全建統一様式で安全書類を作成し、安全管理を徹底しよう
- 安全書類(グリーンファイル)は全建統一様式に則ったクラウドソフトで作成を
- 安全書類(グリーンファイル)の提出方式
- 全建統一様式の施工体制台帳関係書類
- 全建統一様式の労務安全関係書類~作業員名簿はデータベース化がおすすめ~
- 安全施工サイクルを意識付ける工夫とは
全建統一様式の安全書類作成ソフトを導入しないと、起きる問題点は
全建統一様式の安全書類作成ソフトを導入しない理由とは
・原紙となるひな形(雛形)をコピーしておけば、わざわざソフトウェア(アプリ)を使わなくても手書きで簡単に作成できるから。
・工事着手前に、元請会社から提出が必要な安全書類(グリーンファイル)を一式もらい、手書きで作成しているから。
・わざわざ費用をかけてソフトを購入したのに、うまく使えなかったらもったいないから。
なぜ、ソフトを使って全建統一様式の安全書類を作成しないのか
・作業員名簿は、各作業員に書いてもらう方が間違いのない第5号様式作業員名簿を提出できるから。
・大手・中堅ゼネコンが元請会社となる工事の下請けとなる場合は、各社オリジナル様式の安全書類の提出を求められることがあり、人気のフリーソフトなどが使えないから。
・慣れている手書きで作成する方が、短時間で作成できると思うから。
・ソフトの使い方を覚えるのが面倒くさいから。
上記の理由で、全建統一様式の安全書類作成ソフトを導入していない企業が多いです。
しかし、ソフトを導入することで得られるメリットがあります。確認していきましょう。
全建統一様式の安全書類作成ソフトを活用することで得られるメリット
全建統一様式の安全書類作成ソフトの操作は難しくない
・多くの全建統一様式の安全書類(グリーンファイル)作成ソフトウェア(アプリ)は、複雑な操作不要で簡単に作成が可能なツール。作成した書類はクラウドに保存しておけば、複数の人と共有ができます。
・基本的なパソコン操作ができる人なら、作成に戸惑うことはないでしょう。
・それでも、ソフトの使用に不安があるならば、おしいれクラウドのような自動作成が可能なクラウドアプリの導入を検討してください。
クセがある文字で書いたことによる誤読を防ぐことができる
・クセのある文字の場合、第5号様式の作業員名簿の氏名を誤読され身分証明書と不一致だと指摘されれば、現場への入場ができないシステムです。
・ソフトで作成していれば、誤読による身分証明書との不一致を防ぐことができます。
・万一、作業員が怪我をした場合でも、緊急時の連絡先を誤読され、ご家族と連絡が取れなくて困ることはないでしょう。
書類作成時間の短縮や不要なスペースの削減が可能
・作業員の入れ替わりが少ない会社の場合、作成ソフトで第5号様式の作業員名簿を作成しておけば、工事名称や元請会社の現場管理人、提出日など数カ所の修正をおこないプリントアウトするだけで簡単に提出できるシステムなのでおすすめです。
・作成した作業員名簿を保存できるソフトなら、作成の度に、入力ミスや記載ミスを心配する必要はありません。名簿はクラウドに保存しておくと便利です。
・安全書類は種類が多く、ひな形(雛形)の原紙を保管するにも、それなりのスペースを要しますが、作成ソフトを導入すれば、保管スペースは不要になります。
まとめ/導入しないと損! 使い勝手がいい全建統一様式で安全書類を作成できるクラウドアプリ
これまで、全建統一様式の建設業安全書類作成ソフトに見向きもしなかった人も、以下のようなメリットがありますので導入を検討してはいかがでしょう。
全建統一様式の安全書類作成ソフトは操作性に優れている
・なんだか難しそうと考えられがちな作成ソフトですが、おしいれクラウドのような自動で作成できるクラウドアプリが今、注目を集めています。
・クリック操作ができれば、スマホ・パソコンから簡単に操作が可能で、操作でつまずくことはないでしょう。つくった書類の保存はクラウドが便利です。
手書きで作成すると読み間違いによるトラブルを招くことも
・クセのある文字を書く人だと、誤読され、現場への入場を断られたり、緊急時にご家族と連絡が取れなかったりするトラブルを招くことになりかねません。
書類作成時間の削減が可能
・書類提出の度、作業員名簿を一から作成する必要がなくなり、一部箇所の修正だけで最新版の書類の提出が可能になるシステムです。
・ひな形(雛形)の原紙を、保管するスペースが不要になります。
安全書類を作成できるフリーソフトや全建統一様式について
安全衛生管理計画の重要性とマンネリ化を防ぐ方法
安全衛生管理計画の最大の目標は工事現場を無事故・無災害に終えることです。そのため、安全衛生管理計画では「災害防止の重点対策の検討」を盛り込むことが必要です。また「安全衛生管理基本計画書の作成」を行うことが大切です。安全衛生管理基本計画書には、「主要工種とその日程」、「月間安全行事」、「月間安全スローガン」などを記載します。
そして安全衛生管理体制を整えます。安全衛生管理体制は「法定管理者の任命」、「安全衛生推進のための会議体の設置」、「安全衛生管理体制の運営」を行います。
それらを踏まえ、「安全衛生管理計画」を作成します。「毎日の行事や活動」や「週間の行事、活動」、「月間の行事、活動」、「随時実施する活動」を決定し計画していきます。
例えば安全施工サイクルを取り入れるという方法があります。安全施工サイクルは、毎日繰り返される「安全朝礼」から「終業時の確認」までを定型化、それを毎週、毎月とサイクルをパターン化していく手法です。
安全施工サイクルを取り入れることで、パターン化する安全確認の中で、内容の改善や充実を図っていきます。
こうすることで安全施工サイクルがマンネリ化することなく、より意味合いのある安全施工サイクルを構築することができます。
安全書類(グリーンファイル)と施工体制台帳
このように安全書類いわゆるグリーンファイルを作成するにあたっては、さまざまな安全に関する項目を必要とします。そしてこれら安全書類などのグリーンファイルを施工体制台帳として作成する義務があるのです。
そのため、建設業における実務については、安全書類といったグリーンファイルの他にも作業員名簿などが盛り込まれた施工体制台帳を作成しなければなりません。
施工体制台帳は様式フリーではありますが、作業員名簿や安全書類などのグリーンファイルなど、必須書類は国土交通省により定められています。
様式フリーなのは一見自由度があり作成が簡単だと感じやすいですが、その実何をどうまとめていけばわからないのが実際のところです。
先に紹介した安全に関わる項目につて、安全書類やグリーン台帳にまとめ、さらに現場に関わる全ての建設業者から作業員名簿を集める程度であれば比較的簡単かもしれませんが、その他の施工体制台帳の書類まで作成するとなると、考えることが多く、非常に大変な作業になるのは言うまでもないでしょう。
安全書類におすすめ、全建統一様式
中でもおすすめしたいのが、全国建設業協会が定めている全建統一様式の施工体制台帳です。全国建設業協会とは、日本各地の地場建設業者が数多く参加している、建設業界でも最大手の建設関連団体の一つです。特に公共事業を主体とする建設業者の多くは、全国建設業協会に加盟しています。
そのため、全建統一様式を利用すれば、主要な建設業者と統一のテンプレートが利用できるということとなります。
以下に全建統一様式の施工体制台帳と労務安全関係の書類一覧を紹介します。
【施工体制台帳関係】
第1号-甲=再下請負通知書(変更届)
第1号-甲-別紙=外国人建設就労者等現場入場届書
第1号-乙=下請負業者編成表
第2号=施工体制台帳作成建設工事の通知
第3号=施工体制台帳
第4号=工事作業所災害防止協議会兼施工体系図
参考様式第1号=施工体制台帳(工事担当技術者)
参考様式第2号=施工体制台帳(監理(主任)技術者用名札)
【労務安全関係】
第5号=作業員名簿
第5号-別紙=社会保険加入状況
第6号=工事安全衛生計画書
第7号=新規入場時等教育実施報告書
第8号=安全ミーティング報告書
第9号=移動式クレーン/車両系建設機械等使用届
第10号=持込機械届済証 持込機械届済証の書き方
第11号=有機溶剤・特定化学物質等持込使用届
参考様式第3号=安全衛生計画書
参考様式第4号=新規入場者調査票
参考様式第5号=作業間連絡調整書
参考様式第6号=持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届
参考様式第7号=持込機械届済証
参考様式第8号=工事・通勤用車両届
参考様式第9号=火気使用願
全建統一様式は最新の改訂版を使用する必要がある
全建統一様式は定期的に改訂最新版が発表されます。改訂最新版は全国建設業協会のホームページでダウンロードが可能です。なお、ホームページでダウンロードできる改訂最新版の要覧は無料ではありません。改訂最新版が発表された時は、速やかに改訂最新版に順次した形の資料を作成する必要があるでしょう。
改訂最新版であったとしても、全ての資料が変更されるわけではありません。例えば第5号の作業員名簿や第9号の火気使用願は変更がされていないが、第2号における書式が変わったりすることもあるかもしれません。
基本的には様式フリーとなっていますので、第5号や第9号は統一様式を使用して第2号は様式フリーでexcel(エクセル)などで作成する方法もあります。しかしながら、第5号や第9号は統一様式なのに一部書類は様式フリーでは、取り扱いに混乱を招きやすいのでおすすめできません。
施工体制台帳の一部やグリーンファイルの一部だけを様式フリーで作成するのであれば、第5号や第9号など全てにおいて独自の様式で作成するのがおすすめだと言えるでしょう。
ソフトの導入には現行の運用システムとのマッチングが必要
安全書類作成クラウドサービスを導入する場合、現行の運用システムにマッチするか比較するのが大切です。ツール単体としては優秀ではあるものの、現行システムに組み合わせてみたら、運用ツールとしてはいまいちだったということもあるからです。
フリーソフトやフリーアプリの人気ランキングは参考程度だと考え、常にシステムとマッチングするか比較をするようにしましょう。
また、人気ランキングでソフトを比較する時には、csvデータを書き出し・書き込みできるツールが使用できるかというのも大切なポイントです。csvデータは汎用性が高く、他のシステムへの互換性が優れています。
ソフトウェアを変更した時にcsv形式でデータがエキスポートでるツールが備わっていれば、今まで使用していたデータが新しいソフトウェアでも流用できるのです。現行のシステムだけではなく、新たにシステムを導入する場合にも備えて、細かなツールについても目を向けていくことが大切です。
安全書類は全建統一様式で作成し、工事の安全を守ろう
安全書類とは
安全書類いわゆるグリーンファイルを作成することは、工事現場では義務とされています。これは、施工体制台帳と同様に、工事現場ではさまざまな情報を共有化し、安全にそして安心して完了まで工事を進めていくためです。
施工体制台帳には作業員名簿などの、工事に関わる建設業者および作業員の名簿が添付されます。この作業員名簿は施工体制台帳の中でも、グリーンファイルとなる安全書類に分類される書類です。
施工体制台帳に含まれ得る作業員名簿は、工事に関わる作業員の氏名やどの建設業者に所属しているのかを把握するだけの書類ではありません。
作業員名簿は、作業員が現場にいつ入場したか、そしていつ退場したかを把握するためにも大切な安全書類(グリーンファイル)となるのです。
そのため、施工体制台帳の中でも安全書類いわゆるグリーンファイルとしての取り扱いとなっているのです。
実際の安全確保におすすめの安全施工サイクル
安全書類の作成は作業を潤滑に執り行うために非常に大切なものです。しかしより重要なことは、実際にどのように安全を確保するかというところです。
おすすめしたいのが「安全施工サイクル」です。安全施工サイクルは、毎日、毎週、毎月と安全と施工を一体化して日常的に安全を習慣化させる方法です。
毎日の安全施工サイクルでは、安全朝礼を全員で行います。そして前日のヒヤリハットの確認や現場のルール確認、体調管理の確認などを行います。また、安全ミーティングと呼ばれる作業班ごとに分かれてのKY活動についても、安全施工サイクルで行います。加えて作業開始前に使用する設備や工具などの点検や、作業箇所の足場といった場所を点検するのも大切です。安全パトロールによる作業中の指導・監督も取り入れ、安全工程の打合わせや作業終了時における後片付けの時に安全確認を行いましょう。
週間の安全施工サイクルとしては、曜日を決めるなどして安全施工サイクルを行い、前の週と比較してどの部分に危険が潜んでいたかなどのチェックや周知を行います。また、月間安全施工サイクルも同様に、前の月との比較を行うとともに、安全強化月間などを儲けるなどして、安全に対する啓発を行うことが大切です。
こうした、安全に対して常に気を配りそしてそれを循環させていくことで、安全が習慣化し安全を常に意識した現場を作り上げることができます。
書類やポスターだけではなく、日々の業務や週毎のミーティング、月ごとの報告会などでも安全について必ず取り上げるようにしましょう。安全に勝る行動はありません。どんな事柄よりも安全が第一に優先されるということを肝に銘じて、安全意識を常に心がけるようにしましょう。
安全書類作成は全建統一様式で統一された様式に
施工体制台帳は様式フリーです。もちろん、安全書類といわれるグリーンファイルも様式フリーですし、作業員名簿も様式フリーです。
しかし、それぞれの書類が様式フリーで形態がバラバラだったり、様式フリーだからと建設業者ごとにバラバラだと、建設業者間だけではなく第三者が書類を確認した時に、見方がわからなくなってしまいます。
そこでよく使用されるのが、全国建設業協会が提供している施工体制台帳および安全書類(グリーンファイル)である「全建統一様式」です。様式フリーとして書類を作成している場合は、システム導入を検討するのがおすすめです。
特に公共工事においては、全建統一様式を使用することがおすすめだと言えます。それは、全国建設業協会に所属している建設業者の多くは、公共工事への入札参加資格申請を提出している建設業者だからです。
この全建統一様式を使用することで、例えば作業員名簿(第5号)や社会保険加入状(第5号別紙)、移動式クレーン/車両系建設機械等使用届(第9号)といった書類を、統一のテンプレートで作成することができるのです。
ちなみに第5号や第9号は、全建統一様式テンプレートで提供されている号数です。第9号「移動式クレーン/車両系建設機械等使用届」のように名称が長い書類もあるので、第5号や第9号という号数で覚えておくのもおすすめです。
execel(エクセル)のテンプレートやマクロツールを無料でダウンロードする時に気を付けたいポイントがあります。
それは、無料ダウンロードしたシステムが「改訂最新版」のデータに対応しているかというところです。人気がありおすすめ度の高いテンプレートファイルやマクロツールなどを探したとしても、その台帳が改訂最新版に対応していなければ、意味のないシステムになってしまうのです。
第5号の作業員名簿や第9号の移動式クレーンなどの使用届といった、定番の書類は改訂最新版でもそこまで大きく書式は変わらないでしょう。しかし、第5号や第9号以外の部分は改訂最新版で大きく変わる場合があります。
特に建設業に関わる法案や規制が施行される時などには、改訂最新版をチェックする必要があるのです。
全建統一様式の施工体制台帳は、改訂最新版について全国建設業協会のホームページで情報を提供しています。ただし、提供されている改訂最新版の情報は無料で入手はできませんので注意しましょう。
当ホームページでは、無料ダウンロードをご用意しております。
安全書類の目的は安全を守ることにある
ソフトウェアを使用して安全書類を作るなど、ソフトは書類作成に対してとても大切なツールです。数が多くなるにつれ、アプリがなければ書類を作るのは非常に苦労をするところでしょう。
しかし、ソフトで書類を作成して満足してはいけません。それは、安全書類はソフトを使用して作って終わりではないからです。
ソフトウェアはあくまでも書類作成のサポートであって、安全書類は現場の安全を守るのが主目的です。ソフトウェアばかりに目を向けずに、現場の安全・安心を必ず見守るようにこころがけましょう。
全建統一様式で安全書類を作成し、安全管理を徹底しよう
安全書類(グリーンファイル)は全建統一様式に則ったkクラウドアプリで作成を
安全書類(グリーンファイル)は、下請会社から建設業元請会社(ゼネコン)に提出される安全に関する書類群です。安全書類(グリーンファイル)は、建設業法、労働安全衛生法、建設業雇用改善法に規定されている安全に関し、定められている要求事項がすべて記載された書類です。書式はゼネコン各社ごとに少しずつ異なっていますが、記載事項はほぼ同じで、共通化した全建統一様式と内容は同じです。全建統一様式は、全国建設業協会が作成した安全書類(グリーンファイル)の様式で、建設業法に定められている要求事項を満たした内容です。
全建統一様式は、平成7年に初版が出され、改訂最新版は令和2年に発行されています。全建統一様式の改訂最新版の中で、労働安全衛生法に基づいた書類は、次のような内容です。
①作業員名簿は、特定元方事業者の講ずべき措置、安全衛生責任者、作業主任者、作業主任者を選任すべき作業などの法令に基づいた内容になっています。
②免許・資格証は、職長等の教育、作業主任者、就業制限、技能講習、作業主任者の選任、技能講習、安全衛生教育などの法令に基づく内容です。
③移動式クレーン、車両系建設機械等の持込機械等使用届は、移動式クレーンなどの機械を持ち込む際の法令規則に基づきます。
④電動工具、電気溶接機等の持込機械等使用届は、漏電による感電の防止、溶接棒等のホルダー、ワイヤーロープ、不適各なワイヤーロープの使用禁止などの法令の規制内容です。
⑤危険物・有害物持込使用届は、危険物取扱者、技能講習、危険物の製造時の措置、作業主任者の選任、有機溶剤作業主任者の選任、有機ガス用防毒マスクの使用、特定化学物質等作業主任者の選任などの法令の遵守事項です。
⑥火気使用願は、ガス等の容器の取扱い、油類等の存在する配管又は容器の溶接等、通風等の不十分な場所での溶接等、静電気の除去、立入禁止等、消化設備、防火措置などの法令に基づく届け出です。
おしいれクラウドでは、健康診断書や資格証の画像登録が出来、受診日や更新日の確認もできるのでおすすめです。
まずは無料トライアルにて操作性をお試しいただけます。
安全書類(グリーンファイル)の提出方式
建設業ゼネコンから発注された協力会社は安全書類を作成し、ゼネコンに提出します。ゼネコンは、それらの安全書類(グリーンファイル)を現場で保管し、それをもって現場の安全を管理します。例えば、三次下請けは二次下請けに安全書類(グリーンファイル)を提出し、二次下請けは、三次下請け全社からそれを受け取り整理し、一次下請けに提出します。一次下請けは、それらをまとめて建設業ゼネコン(元請会社)に整理し提出します。
全建統一様式の施工体制台帳関係書類
全建統一様式は、安全書類(グリーンファイル)を作成するために、全国建設業界が作成した共通様式で、建設業を中心に土木業、設備関係会社、電気設備業界などの会社が使っています。年々改訂を重ね、改訂最新版を使って安全書類を作るようにしています。
全建統一様式にある帳票は、次のような体系様式で出来上がっています。様式フリーといった自由に安全について書く様式はありません。
第1号甲は、再下請負通知書(変更届)で、自社の情報と下請業者の情報を記入する様式です。元請名称、工事名称、工事内容、工期、注文者との契約日、建設業の許可、健康保険等の加入状況、現場代理人名、主任技術者名、安全衛生責任者名、安全衛生推進者名、雇用管理責任者名、専門技術者名を記載します。
第1号乙は、下請負業者編成表で、担当工事内容、会社名、安全衛生責任者、主任技術者、専門技術者、工期などを記載します。
第2号は、施工体制台帳作成建設工事の通知で、元請が発注者から受注した工事内容を、下請業者への通知内容です。
第3号は、施工体制台帳です。建設業法では、直接建設工事を請けた場合、ある金額以上では、施工体制台帳と施工体系図を作成する必要があります。施工体制台帳を作成するのは、一次下請だけで、二次下請け以降の作成は必要ありません。工事情報、建設業許可の情報、社会保険の情報、各担当者情報などを記載します。
第4号は、工事作業所災害防止協議会兼施工体系図で、一般的には施工体系図と言います。施工体系図は、全ての工事関係者の施工体制を把握し、施工の責任と工事現場の役割区分を示し、主任技術者や専門技術者を確認することが目的で作成されます。
全建統一様式の労務安全関係書類~作業員名簿はデータベース化がおすすめ~
第5号は、作業員名簿で、作業員の情報として、氏名・職種・属性・経験年数が書かれます。作業員名簿には、作業員の具体的な情報として、年齢・連絡先・電話番号、健康診断日、社会保険、特別教育、技能講習、免許などの記載が必要で、作業員名簿が完成します。
第6号は、工事安全衛生計画書です。工事安全衛生計画書は、現場工事を進めるに当たって、どのようにして安全に工事を行うか、安全の方針や目標、行動計画などを決め、作業員全員が同じ安全意識を持って工事に当たることを決意するものです。安全方針や安全目標は、工事安全衛生方針、日常を含む安全衛生活動、資機材・保護具・資格の区分・種類などが決められます。
第7号は、新規入場時等教育実施報告書で、現場で働く人が、安全衛生教育を受講したことを証明する報告書です。事業所の名前、所長名、会社名と現場代理人、教育の種類、実施日時、実施場所、教育内容、講師、受講者氏名、講習で使用した資料などが記録されます。
第8号は、安全ミーティング報告書で、安全ミーティングやKYK活動など安全行動の記録を記した安全書類です。書類には、出席者全員の自筆の署名を入れて、いわば安全活動を行ったという証拠とするものです。
第9号は、移動式クレーンや車両系建設機械などの使用届です。機械の情報、自主・性能検査の情報と検査証の有効期限、接触防止措置など、移動式クレーンの持込時の点検表と点検結果、点検者などからなっていて、移動式クレーンなどの機械が安全に現場に搬入された証明書ともいえる書類です。
作業員名簿を作成する際に、困ることは、事業規模や工事規模が大きくなり、作業員が大幅に増えたときの対応です。エクセル(excel)をベースとした無料のフリーソフトでは、名簿テンプレートや入力ツールが用意され、安全書類の作業員名簿は名前など入れれば簡単に作成できますが、作業員がいつから所属しているか、健康診断の受信日はいつかなどのデータは管理できていないと、正確な作業員名簿ができません。おしいれクラウドでは、健康診断書や資格証の画像登録が出来、受診日や更新日の確認もできるのでおすすめです。
まずは無料トライアルにて操作性をお試しいただけます。
安全施工サイクルを意識付ける工夫とは
作業現場の安全衛生管理活動は、工事期間中の全工程にわたって、毎日・毎週・毎月、計画を立て実施しなければなりません。安全施工サイクルは、毎日の安全活動を基本的に定型化して、実施内容改善と充実を継続的に全作業員が行っていく活動です。安全施工サイクルは、現場に施工管理と安全衛生管理を常に行うことで、施工と安全衛生の一体化を推進することを目的とし、無事故・無災害で工事を完了させることを意識しています。具体的な活動としては、朝の体操と朝礼、作業前の安全ミーティングとKYK、作業開始前の機工具の点検、作業中の安全パトロール、毎日の工程会議、作業終了後の後片付けなどを行います。
安全施工サイクルで毎日行う安全行動を、施工者全員に分かりやすく、意識に残りやすいものとして、イラストがあります。イラストには、フリーのソフトがあり、自分たちの工事に合ったイラストを掲げ毎日、目にすることで安全意識が高まりおすすめです。有料版のイラストもさらに意識に残りやすくしていますが、人気のソフトを含めてダウンロードして比較することで、工事に合ったイラストやソフトが見つけやすいでしょう。
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