施工体制台帳関係
安全書類関係
様式は全国建設業協会から出されている「全建統一様式」のほか、ゼネコン毎に用意されている場合もありますが、様式が異なっても記入する内容はおおむね共通しています。
主要な安全書類の9種類
主要な安全書類として、以下9つの書類をご紹介します。
1. 再下請負通知書
一次下請負以下の請負契約について元請に報告する書類です。
この書類をもとに、元請の建設業者は工事に関わっている業者を把握し、安全で適切な工事が行われる状況にあるのかを確認します。
作成義務があるのは、一次下請以下の下請け契約を結んだ協力会社で、工事の途中で変更があった場合にはその都度新しいものを作成・提出しなければいけません。
2. 下請負業者編成表
工事にどのような会社が関わっているのかを明らかにするための書類で、元請が作成する施工体系図のもとになります。
一次下請負が二次下請負以下の協力会社との契約の流れをまとめて提出する書類なので、作成が求められるのは一次下請負のみです。
一次下請負であっても二次下請負を使用しない場合は、この書類は提出不要です。
3. 作業員名簿
作業員の氏名や住所などを記入する書類で、元請が現場作業員のプロフィールと、その雇用管理状況を把握するために必要なものです。
一次下請以下の協力会社が作成するもので、記載内容を証明する書類も一緒に提出しなければいけません。
たとえば、資格証明書や免許などのコピーを併せて提出する必要があります。
4. 外国人建設就労者現場入場届出書
外国人建設就労者の現場入場に必要な書類で、元・技能実習生の外国人を雇用する際に、一次下請負以下の協力会社が直近の元請負に提出します。
現在技能実習生の外国人や、技能実習と関係ない外国人(永住者等)を雇用する場合はこの書類は必要ありません。
提出の際はパスポートなどの書類の写しを併せて提出する必要があります。
5. 持込機械等(移動式クレーン/車両建設機械等)使用届
元請が現場に出入りする移動用クレーンや重機などを管理するための書類で、重機を使用する各下請負が作成しなければいけません。
この書類は機械を現場に持ち込むたびに提出が必要で、車検証や任意保険証のコピーなども併せて提出する必要があります。
6. (工事・通勤)用車両届
現場に出入りする工事関係車両を元請が管理するための書類で、車両を利用する一次下請負以下の協力会社がそれぞれ提出します。
記入する必要がある車両は各作業員の通勤用車両のほか、現場への移動に使う社用車も含まれます。
7. 火器使用届
火を使った工事を行う時や、ストーブなどの暖房を使う時に「どのような場所」で「どのような火気」が使われるのか、安全上の管理方法などについて記入する書類です。
火器使用願は現場で火気を使用する一次下請負以下の協力会社が作成しますが、作成者が二次下請負や三次下請負の場合は元請ではなく、一次下請の会社に提出します。
8. 持込機械等(電気工具/電気溶接機等)使用届
インパクトドライバーなど、現場で扱う機械の状態が安全な状態にあることを証明する書類で、建設現場で機械を使用する一次下請負以下の協力会社が作成し、元請負の会社に提出します。
会社で持込機械を所持しておらず貸与を受けて使用する場合でも、機械を使用する会社はこの書類を作成しなければいけません。
9. 安全衛生計画書
現場の安全衛生をつくるための目標や、実施予定の安全指導などを記入する書類です。
安全衛生計画やそのスケジュールなどを記載するもので、一現場につき年に1回作成するのが一般的です。
複数の下請負が同じ現場で作業をする場合は一次下請負が作成しますが、元請から別々に提出を求められる場合は、各下請負が作成・提出します。
たかが書類ではなく貴重な書類なのできちんとした管理を
これらの書類は安全を徹底するため、また事故が起こった際に責任の所在を明らかにしたりするなど、作業員の安全や権利を守るために欠かせないものです。
たかが書類ではなく、されど貴重な書類です。日常の管理力が如実に現れるところでもありますので、速やかに出力できるよう、きちんとした管理をお勧めします。